この世の中に、意地悪な人は一人もいない。
そこにいるのは、ただ傷ついて苦しんでいる人だけなのです。
これは、この本のオビに書かれたコピーです。
すべての人に、愛(真我)とエゴ(自我)があり、本来、人は、愛の存在で産まれてきます。
ただ、愛は、非常に繊細な波動であるため、怒りや暴力といった荒い波動に簡単に負けてしまいます。
その繊細な波動である愛を守るため、多くの人は子供の時にエゴを身につけます。
繊細な愛が傷つけられるのを怖れ、エゴにくるんで守ろうとするのです。
子供の時は、社会的・経済的に弱い立場であるため、このようにエゴで守るという方法が妥当です。
ただ、大人になり、社会的・経済的に自立した人は、徐々にエゴを手放していく必要があります。
しかし、子供の頃に身につけたエゴは、簡単には手放せなくなってしまっています。
それどころか、エゴに乗っ取られてしまっている人さえいます。
エゴに乗っ取られて、エゴの仮面をかぶって生きてしまっているのです。
ただ、多くの場合は、常にエゴに乗っ取られているわけではなく、何か自分にとってネガティブな出来事があったとき、エゴの仮面をかぶって愛を守ろうとするようです。
エゴか愛かを簡単に見分けられる場合もあります。
例えば、人を攻撃する行動は、すべてエゴです。
愛は人を攻撃したりしません。
エゴは、自分の愛を守るため、逆に、相手を攻撃するという方法を使います。
批判・非難・中傷。
すべてエゴから来る行動です。
こうした行動をしているとき、人はエゴに乗っ取られ、エゴの仮面をかぶってしまっています。
そして、エゴに乗っ取られた自分を、本当の自分だと勘違いしたまま行動してしまっているのです。
エゴには、いくつか種類があります。
この本では、主要なエゴのタイプが5つに分類されて解説されています。
人を攻撃するエゴは、とても見分けやすい部類ですが、人に依存するエゴなど、一見、見分けるのが難しいケースもあります。
ただ、いずれの場合も共通するのは、エゴに乗っ取られている人は、ただただ傷ついて苦しんでいるということ。
本当は愛の存在でいたいのに、その愛を守るためのエゴに乗っ取られてしまっているのですから。
そこには、誰にとっても幸せはありません。
そこから逃れるためには、まず、自分のエゴを理解することが必要です。
これは、実は、とても怖いことです。
もしかしたら、自分のこれまでの人生が、エゴに乗っ取られていた人生だったと氣付いてしまう可能性さえあるからです。
ただ、いずれ氣付くのであれば、早いに越したことはないでしょう。
ぜひ、この本を読み、エゴについて、理解を深めることをお薦めいたします。
エゴは、すべての人に、必ずあります。
それを、ポジティブな方向に転換すること。
これが、本当の愛の存在で生きるために大切なことであるようです。
ありがとうございました。